Lee Konitz - Lone-Lee

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Steeple Chaseからの75年のソロ作。

両面1曲ずつ延々とアルトサックスをブロウし続けるという怪作。即興かと思いきや、2曲ともジャズスタンダードを演奏した作品らしい。しかし、その原型はほとんど無く、リラックスしたタッチで独特なムードを聴かせる演奏は、夜中にひとりで聴くと恐ろしいほど良い。タイトルがLonelyとかかっているのも納得。

絶妙なテンポ、音の掠れ具合、熱の保ち方などケチのつけようがない。ソロで長尺の演奏をするとなると、フリーで狂騒的な方向に流れてしまいがちなところを、淡々と平熱のブロウをかまし続ける強さに畏敬の念すら抱く。

レコード屋ではそこそこ見かける作品だけれど、レコードが高騰した昨今でも手が出しやすい価格設定が多い気がするのはありがたい。とんでもなくダサいジャケットが原因だろうか。隠れた名作だけれど、聴き手を選ぶ手強さもあり。